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iPod Touchで古典が読みたい(3)

久々にiTunes Storeのアプリストアを見ていたら、古典ギリシア語の新しい辞書が掲載されていた!Lexiphanes Greek Dictionaryというもの(こちら→Lexiphanes Greek Dictionary)。iPhone OS 3.0用(iPod Touchも要アップグレード)で、230円。こちらも前のGreek English Lexicon同様、1924年版のLiddle & Scottがベースなのだけれど、後発の強みで、表示のレイアウトがとても見やすくなっている。また、検索語の下に一般的な意味がちょろっと出ているのもとても気が利いていて便利。また、これはAutenrieth’s Homeric Lexicon(1889)も併せて収録しているので、アッティカ方言ばかりかホメロスのイオニア方言とかにも対応。この2冊でのクロス検索はできないものの、検索語を打ち込んでから切り替えることはできる。iPhone 3.0から現代ギリシア語のキーボード配列が入ったので、それをオンにしておいて切り替えて入力することもできるのだけれど、なぜか個人的にそれをやると微妙に検索精度が落ちる(これは謎だ……バグかしら?)。そんなわけでとりあえずは普通の西欧キーボードから検索している(いわゆるBeta Code入力)。うん、でも全体としては結構お薦め。

久々のガジェット話……

ちょっと閑話休題的だけれど……ガジェット話。iPod Touch(とiPhone)の辞書もいろいろと充実してきた昨今。ものは試しというか、かなり値段は張るのだけれど、『ウルトラ総合辞書2009』というのを入れてみた(こちら→ ウルトラ統合辞書2009)。広辞苑第六版のほか、リーダーズ英和、和英中辞典、新漢語林、現代用語の基礎知識、三省堂のデイリーで日独、日仏、日西、日伊などが一挙にインストールできる。市販のベーシックな電子辞書とほぼ同等かそれ以上になるという感じ。そういう意味ではお得か(でもま、もっと安くいろいろ揃える手もあるのだけれど……)。でもちょっと気になるのは、クロス検索とかできないこととか、検索のステップが普通の電子辞書(EX-wordあたり)より1ステップ多くなってしまう点とか(このステップの多さはiPod Touch全体の仕様のせいみたいで、このウルトラ辞書に限ったことではないのだけれど……)。EX-wordで検索語を入れれば、分割画面で候補とその意味が表示されるけれど、ウルトラ辞書の場合、まず候補リストが表示され、そこから目的とする検索語を選んでやっと意味が表示される。うーん、EX-wordとかに馴れていると、この1ステップ余計な点はちょっと気になるなあ……。

ステップ数の話のついでだけれど、そのiPod Touchを出先でネットに接続するために、これまでウィルコムのアドエスでWMWiFiRouterの旧版を使ってきた。けれども、もっとステップ数が少なくてすむ優れものが出ている。WiFiSnapがそれ(アドエスとWilcom03専用だそうだ)。起動前に自分で無線LANをオンにしたりしなくてすむし、接続も若干早い。手軽さが全然違う。このあたりは後発の強みか。

iPod Touchもろもろ

先にiPod Touch/iPhone向けのギリシア語辞書(Greek-English Lexicon)を出してくれた同じ開発元が、Latin Dictionary
iconというのも出してくれている。これ、パブリックドメインに入った1879年のLewis and Shortのレキシコンそのもの。さらにその同じ開発元はOld English Dictionaryというのも出している。なかなかに素晴らしい。

そういえば日本では産経新聞がそのまんまiPod Touch/iPhoneで読めるけれど、そこまでではないものの、フランスのLe MondeもLe Monde.frをアプリ化している。結構軽くていい感じ。ほかにFrance 24 Liveなんてのもあるが、これはライブビデオを配信するもの。当たり前だけれど自宅の無線LAN環境でないとキツい。出先ではアドエスでWMWifiRouterを介してつなぐので……。話ついでだけれど、アドエスにもiPod Touch/iPhoneっぽいインターフェースのメニューを入れてみた。Winterfaceというやつ。なるほど、iPhoneのインターフェースは今やすっかり一つのパラダイムと化しているからなあ。

再びアプリに戻ると、「そういえば、アラビア語辞書とかもないなあ」と思っていたら(ま、簡易語彙集みたいなのはあるけれど)、どうやらiPhoneは現時点で、アラビア語にはフルには対応していないらしい。面白いのは、そんな状況でもアラビア語のメールアプリとかが出ていること。なかなか素晴らしそうでないの。でもとりあえず個人的にはこれは不要。辞書引きながらたどたどしく読むだけなので……(苦笑)。うん、やっぱり辞書アプリが欲しいよなあ。それから文献も出してくれないかしら。

iPod Touchで古典を読みたい(その2)

うーむ、ちょっと風邪ぎみ……。午後から夕方はダウン。

で、今ごろのそのそとiTunes Storeを見ていたら、なんと、Greek-English Lexicon
iconというのが出ているではないか!有料アプリだけれど、これは即買い(230円)。1924年のLiddle & Scott(パブリックドメインなんですね)をもとにした古典ギリシア語 – 英語の辞書。iPod Touchで使うと、検索語の入力用にソフトキーボードがギリシア文字で出る。なかなかいいねえ、これ。表示とかは普通……というかちょっと見づらい感じも。でもこれで、出先でギリシア語本読むときには重宝しそうだ。うん、なんか元気出てきた(笑)。

「先祖返り」?

いまだに出先ではsigmarion IIIを愛用しているのだけれど、専用ソフトウエアのダウンロードサービスなども少し前に閉鎖され、世間的にはなんだかすっかり過去の遺物扱いなのがちょっと悔しいというか……。でも、蓋を開けると同時に起動(というかレジューム)し、小さい文章をちょこちょこと書いて、あとは携帯とかをモデムにしてちょっとだけ通信するといった用途には、いまだ絶大な力を発揮する道具。こういうツールの後継機をぜひまた作ってほしい。……なんて思っていたら最近、ほとんど昔のワープロ専用機の先祖返りかという感じで、ポメラDM-10(写真)なんてのが登場したのだそうで。ATOK搭載で入力は快適らしいとはいえ、通信機能がないといった点はやはり少し見劣りする。次期バージョンとかがもし出るなら、そのあたりを期待したいところ。

とはいえ、案外こうした過去の遺産の見直しに、革新の芽があるのかもしれない、なんてことを思ったりもする。たとえばアップルのiPod Touch(iPhoneでもいいが)のアプリケーションの枠組みなどは、もしかするとかつてのDOSが捨てた方向性の「復権」ではないか、という気もしたり。Windowsがもし、当時のMacをまねてマルチウィンドウにせず、MS-DOSを蹈襲しながらグラフィック画面化だけは果たし、一方で実際にDR-DOSがやっていたような(キャラクタベースのUnixっぽい)画面切り替え方式で複数のアプリケーションを起動させ切り替えながら使う、みたいな方向に行っていたら、おそらくこのiPod Touchが実現しているような環境をもっと洗練させたようなものになったんじゃないかなあ、なんて。ま、妄想でしかないわけだけれど。いろいろと途上で捨ててきたものの再考は、案外とても重要なんではないかしらん、と。

で、これはなにもIT関係だけに限らない。過去の諸説などの再考は、歴史の研究ならば普通になされていることだし。先に触れたグーゲンハイム本なんかも、いろいろな意味で問題はあるものの(イスラムの極端な過小評価、意図的っぽい極論や事実誤認など)、古代ギリシアやローマと西欧中世との間に文化的にあったとされる歴史的な断絶は本当に断絶と言ってよいのか、事実はどのあたりにあったのか、といった問題の再考を促す刺激にはなっているかも(個人的にも、メルマガでそのうち同書の検証企画みたいなのをやってもいいなあ、と思っているところ)。