セルティック・ヴィオール

古楽というよりはトラッド系だけれど、これはご機嫌な一枚。古楽の大御所ジョルディ・サヴァールのヴィオール、アンドルー・ローレンス=キングのハープによる『セルティック・ヴィオール』(The Celtic Viol(AliaVox, AVSA 9865))。両者の絶妙なコラボがなんともいえない見事な味わいをかもしている。うわ〜、こりゃ見事。また一つ名盤が、という感じ。アイルランドとスコットランドのトラッドミュージックなのだけれど、全体を貫くこの妙に懐かしい感じの、哀調を帯びたトーンが染みる。陽気な舞曲すらも、なにかこう、周りに拡がる哀愁の海にぽっかりと浮かんだ、はかない一瞬の花火を思わせるような……。このなんともいえない喚起力の凄さ。こういう暑い時期には、意外にこういうのが良いかも(笑)。

Baroque Classical/The Celtic Viol: Savall(Viols) Lawrence-king(Irish Hp) (Hyb)