「天使」は「隅石」?

ブログ「ヘルモゲネスを探して」さんのところから、今月23日のエントリに衝撃的な一言が:「天使とは角度のことであったのか?」。うーん、angelusとangulus、確かにラテン語において両者が形の上で混同されそうな感じはする。でもギリシア語まで行くとまた違う……と思いつつ、ふと思い出した。夏前ごろからずっと読んでいるピロポノスの『世界の始まりについて』6巻11章に(この箇所は、世界の支配者は人間ではなく天使だというテオドロスの説への反論を述べているところ)、天使は地上のすべてを統べるのではないが、個別の(みずからの)秩序を統べる、みたいなことが記されていた。この一文、何気なく読んでごく普通にディオニュシオス・アレオパギテスの天使の序列論を思い浮かべていたのだけれど、これを「天使こそが秩序の要(土台)だ」というふうにとると(ちょっと強引か?)、にわかにこれが「角」に結びついていきそうにも思える(笑)。なにせ隅石(土台)のことを、たとえば仏語でpierre angulaire、伊語でpietra angolareなんていうし。ちょっと妄想気分ついでに、この「隅石」、民間語源的にでいいので、遡れないか検証してみたい気もする。さしあたりウィトルウィウスあたりに何かそれっぽい言葉がないかしら、なんて。