聖セシリアに捧ぐ歌

11月のミンコフスキー&ルーヴル宮音楽隊の来日公演は行けずに残念だった(なかなか面白い公演だったと聞く)。で、そんなわけでその組み合わせの最新録音を聴く。『パーセル、ヘンデル、ハイドン – 聖セシリアに捧ぐ』(To Saint Cecilia – H.Purcell, Handel, Haydn / Marc Minkowski, Les Musiciens du Louvre, Lucy Crowe, etc)。季節的にはちょうど一ヶ月遅れ。というのは音楽の守護聖人とされる聖セシリア(チェチリア)の祝日は11月22日だから(苦笑)。それにしても、この聖人をテーマとした曲を、今年がメモリアル・イヤーだったヘンデルとハイドン、パーセル(実はこちらも生誕350年)からもってきたところが憎い(笑)。そんなわけで二重・三重に楽しめる二枚組。演奏はもうまったく文句なしという感じだし、三大作曲家のそれぞれの持ち味がとてもよくわかる趣向(全体的に凝った凛々しい音楽のパーセル、メロディ・メーカー然としたヘンデル、そして堅実かつメリハリの利いたハイドン)。収録曲はパーセル「万歳、輝かしきセシリア」、ヘンデル「聖セシリアの祝日のためのオード」、ハイドン「聖チェチリア・ミサ』。パーセルが個人的には好みなのだけれど、ヘンデルもときにとても美しいし、ハイドンのミサ曲も意外にいいなあと。

ジャケット絵はラファエロの「聖チェチリア」の部分。1513年ごろの一枚。元絵では、聖チェチリアの周りをパウロ、ヨハネ、聖アウグスティヌス、マグダラのマリアが囲んでいる。