イメージ論:始まりのアウグスティヌス

オリヴィエ・ブールノア『イメージを超えて – 中世5〜16世紀の視覚の考古学』(Olivier Boulnois, “Au-delà de l’image – Une archéologie du visuel au Moyen Âge Ve – XVIe siècle”, Seuil, 2008)を読み始める。仏語で言うところの「イメージ(イマージュ)」は内面的な想像力から外部の絵画まで様々な事象を言う多義的な言葉だけれど、これはその多義性をそのままに、中世のイメージの諸側面を広くほ渉猟しようという一冊らしい。まだ二章目に入ったところ。一章目はアウグスティヌスのイメージ論を手堅くまとめていてとても参考になる。ここでの「イメージ論」は「神の似姿としての人間」という聖書の解釈を中心としたもの。そこから「像とは何か」といった問題が切り出されるという次第。で、アウグスティヌスの場合4つほどの点で、先行する教父たちの伝統から隔たった革新的な議論になっているのだという。人間は子(キリスト)にではなく三位に共通するエッセンスに似せられている、とした点が第一点。「像であること」と「似ていること」の区別を廃した点が第二点。「似姿」と「像」を切り離さずに考察していることのが第三点。神の似像とは魂であって、魂と身体の結合体ではないとしたことが第四点なのだという。それぞれの詳しい議論とか、参照されているテキストとか、なかなか興味深いのだけれど、いずれにしてもこうしたアウグスティヌスの革新性というのが、どうやら同書を貫く縦糸をなしていくような気配だ。というわけで、これも読み進めながら面白い点があればメモっていこうっと。