クロマニョン・サウンズ

瞑響・壁画洞窟少し前に旧ブログのほうで取り上げた土取利行『壁画洞窟の音』(青土社)。レ・トロワ・フレール洞窟の訪問を軸とし、壁画洞窟そのものが巨大な「楽器」(共鳴装置としてのリトフォン)をなしていたのではないかという仮説を紹介し、その演奏の体験記などが綴られていたのだが、クーニャック洞窟でのその同氏の実演を収めたCD、『瞑響・壁画洞窟–旧石器時代のクロマニョン・サウンズ』(VZCG-687)をようやく聴く。すべてオリジナルの各曲は、石を木や指で叩くとか、骨笛や鼻笛を一定間隔で鳴らすなどの、リズムのみを前面に出したミニマル・ミュージック的なもの。環境音楽的に楽しめる。うーん、でも、音の高低などでの反響の違いとかはどうなんだろうなあ、と思ったりもする。おそらく原始的な音って、もちろん反復動作もあったろうけれど、動物の鳴き声とかを真似て再現しようとするようなものだったりもしたのでは、と思う。そういう声その他の音を取り入れたパフォーマンスも聴いてみたいなあ、と。ま、ともかくうちの再生装置は貧弱なので、洞窟内の雰囲気も再生でいていないほどなのだが(苦笑)、一応これはSHM-CDという、素材的に改良したCDなのだとか。ライナーノーツは土取氏のインタビューで、上の書籍の部分的なエッセンスがまとめられている感じの話になっている。