医学占星術2

ちょっと忙しくなってきたので、あまり読む時間が取れないものの、一昨日の『星辰・医学』から、ヒラリー・M・キャリー「中世ラテン占星術と生のサイクル」という論考を時間の合間にちらちらと眺める。端的なまとめで、結構勉強になる(笑)。インドなど東洋とは違って、西欧の中世は占星術もギリシア語、アラビア語からの翻訳を通じて学者世界に入ってきているために、伝統がそのまま(多少の曲解はあっても)温存された側面があるといい、医学占星術も偽ヒポクラテス文献や一部のガレノス系文献を通じて、一種のサブセットとして流入してきたのだという。大局的には占星術の側に医学的な要素が混じり込んでいる側面が強く、医学プロパーにおいては占星術の要素はそれほどウエートがないのだそうだ。なるほど。オリジナルテキストとして重要とされるのは、まずは偽ヒポクラテスの『医学占星術(Astrologia medicorum)』。英訳が複数存在するほか、ロジャー・ベーコンが勧めていたり、アーバノのピエトロ、チェコ・ダスコリなどが引用しているのだとか。黄道帯がらみではセビリアのイシドルス『語源録』。また当然ながらプトレマイオスの『テトラビブロス』。ちなみにこれのラテン語訳はカスティリアのアルフォンソ10世の宮廷で、テバルディスのエギディウスという人物が行っているという。そしてアルブマサル『大入門書(Introductorium maius)』。