ペルゴレージ祭り

今年がメモリアルイヤーの作曲家の一人がペルゴレージ(生誕300年)。これに合わせてクラウディオ・アバドがペルゴレージを3枚出しているけれど、そのうちの2枚を聴く。作曲年代的には一番早い部類の曲が収められているのが、『ディクシト・ドミヌス』(Pergolesi: Dixit Dominus, Salve Regina, Confitebor Tibi Domine, etc / Claudio Abbado, Orchestra Mozart, Rachel Harnisch, etc)。曲目は表題作のほか、「主よ、あなたに告白します」「聞きも見もしない者は」「サルヴェ・レジーナ」(イ短調)など。「ペルゴレージの音楽は旋律の着想の表現性にあり、それはまさにより知的で規制的なトーンが期待される宗教音楽でとりわけ感じられる」とライナーの書き出しが言うように、まさに抒情感溢れるメロディに圧倒される。うーん、特に各曲の歌い出しとかが実に凝っている感じだ。アバド率いるモーツァルト管弦楽団(一応古楽系)も落ち着いていい雰囲気。音の流れにたゆたう感覚。

もう一枚は『聖エミディオのためのミサ』(Pergolesi: Missa S. Emidio / Claudio Abbado, Orchestra Mozart, Veronica Cangemi, etc)。表題作以外の収録曲は「サルヴェ・レジーナ」(ヘ短調)「ラウダーテ・プエリ・ドミヌム」ほか。ペルゴレージのスタイルをライナーでは「プレ・ギャラント」と称しているけれど、ほんと、圧倒的にメロディ重視。しかもそれがほれぼれするほどに美しいときている。うーん、素晴らしい。26で夭逝したペルゴレージの天才ぶりは確かに感じ取れるかも。アバドのじっくり練ったような音作りがまた映える。これも堪能できる一枚。

あと一枚は例の超有名な「スターバト・マーテル」。これは未購入なのだけれど、やっぱしそのうちゲットしておこう(笑)。