シュタイアーの「ゴルトベルク」

シュタイアーの演奏による『ゴルトベルク変奏曲』(J.S.Bach: Goldberg Variations [CD+DVD]を聴く。これはまた面白い。対位法の主旋律以外の音がまた響く響く。そのせいか、なんだかちょっと別の曲っぽいかのように、ゴルトベルクがまた違って響いてくる(っていうのは言い過ぎかしらね)。でもこれ、ある意味とても堅実なアプローチだということは、付録のDVD(!)を見ても分かる。音の運びやバッハの考え方などを縦横に語っていて興味深いのだけれど、総じて以前のモーツァルトものなんかとは全然違うスタンス。鍵盤を操る自在さ加減が、今回は別の次元に昇華されたような印象だ。うーむ、シュタイアーおそるべし……。ちなみにこれ、iTunesなら安く買えるけれど、やはりDVD映像があるのでCDで買うほうが個人的には良いかなと思った。