スアレス研 – 閑話休題

クルティーヌ『スアレスと形而上学の体系』の読みは夏をまたいでしまったが、とりあえず第五部はスアレスは再び後景に退き、むしろ同時代から後世への思想的布置の中に、形而上学、とくに存在論がどう成立しどう位置づけられるのかを多面的に論じている。とりわけ中心的に出てくるのは、オントロジーという用語を初めて使ったとされるゴクレニウス(16世紀末から17世紀初めごろのドイツのスコラ学者)と、その形而上学の下位分割を理論的に用意したとされるペテリウス(スアレスと同時代人で、ローマで教鞭を執っていたとされる)。また、17世紀初頭の形而上学の体系化に大きく寄与した人物として挙げられているのはクレメンス・ティンプラー(同じくドイツの神学者)。ほかにもいろいろ個人的には知らない名前がたくさん出てきた。なかなかに興味深い。とはいえスアレスそのものの話から離れてしまっているので、そのあたりは割愛。また、続く章ではスアレスとデカルト、スアレスとライプニッツといった話も出てくるのだけれど(影響関係というわけではない)、さしあたり同じく割愛(苦笑)。

というわけで、秋(まだ夏という感じだけれど)からは、スアレス絡みということで、ヴァンサン・カローの『原因すなわちラティオ』あたりを読んでいこうかなあ、と。あと、オリヴィエ・ブールノワの『存在と代示』とかも。詳しくはまた今度。