「バイロイトの宮廷」

世間的には今日まで三連休。というわけで、ウィルコムの電話機に翻弄された感のあるこの三日をしめくくるべく(?)、ミゲル・イスラエルのリュートのCDを堪能する。『Lute Classical/The Court Of Bayreuth-lute Music Of J.b.hagen Falckenhagen Etc: Yisrael』。廉価版ながら、なんとも詩情あふれる宝石のような音。うーむ、リュート音楽の醍醐味というか神髄に迫るものがある(と思う)。演奏しているミゲル・イスラエルという人は、前にやはり廉価版で『神秘のバリカード』なるCD(これもなかなか素晴らしかった)を出していたミゲル・セルドゥーラと、なんと同一人物!現在は母方の姓を名乗っているのだとか。なるほど。で、今回は「バイロイトの宮廷」というタイトルで、18世紀のドイツのリュート奏者・作曲家ハーゲン、ファルケンハーゲン、シャイドラーを取り上げている。いずれも、ヴィルヘルミーネ・フォン・プロイセンの庇護を受けた奏者たち。ヴィルヘルミーネはフリードリヒ一世の長女で、つまりはフリードリヒ大王(二世)の妹。ヴェルサイユを模してバイロイトの宮廷を作り替えた人物で、みずからもヴァイスにリュートを習っていたのだとか。最初はフランスで発展したバロックリュートは、その後ドイツで独自展開を果たすわけだけれど、うん、やはりハーゲンやファルケンハーゲンのソナタはフランスものとはまた違った味わいで洗練されている。それを情感たっぷりに奏でるミゲル・イスラエル。これはもう文句なしの拍手もの。