聴き比べ:マンドリン、リュートのための協奏曲集

期せずして聴き比べ状態になってしまったヴィヴァルディ『マンドリンとリュートのための協奏曲集』2枚(笑)。ご多分に漏れず、超有名曲のRV93とかRV425はどうしてもついつい食いついてしまう(笑)。で、まず1つはこちら、ラルテ・デラルコの廉価版CD(Vivaldi /Concertos For Mandolin and Lute: Guglielmo / L’arte Dell’arco)。おお、なにやらとても自然体で入っていける一枚(笑)。なにかこう、衒いのようなものもなく、落ち着いた感じの音作りという印象。2009年の録音ということで、まさに「今風」の古楽演奏で、その華やかさも含めてお手本的な感じ。個人的には結構気に入っている。とりあえずの「スタンダード」ということで良いかも(?)。

もう1つは、ポール・オデットとパーリー・オブ・インストルメンツによる1984年録音(Vivaldi: Lute & Mandolin Concertos)。ハイペリオンの30周年記念盤ということで復刻されているうちの一枚(でもこれ、このリンクのようにiTunesとかでも扱われているのよねえ)。こちらも颯爽たる演奏が心地いい。けれど今聞くとどこか節々に、なにか引っかかりというか、ところどころごっつい感じがあるような……。特に上との対比ということでは、全体が妙に引き締まった印象。そう思って耳を傾けるせいかもしれないけれど、これってある種の時代的なテイストかもしれないなあ、と。いやいや別に古いくさいというわけではなく、むしろ好印象なのだけれど。オデットはやはり名手というか、ここぞというところで華麗な演奏を聴かせてくれる。