プロクロスの幾何学サマリー

ちょっと所用でまた田舎へ。今回も旅のお供ということで、Loeb版の『ギリシア数学作品集』第一巻(タレスからエウクレイデスまで)(Greek Mathematical Works, Volume I: Thales to Euclid, trans. Ivor Thomas, Loeb Classical Library, 1939-2002)を携帯した。ギリシアの数学系のテキストを集めたもの。その中でとりわけ気になったのが、プロクロスによる「幾何学サマリー」。これはもともと『エウクレイデス注解』という著作の序文にあたるものらしい。幾何学がエジプトの測量術(ナイル川の氾濫のたびに土地の境界を測量しなくてはならなかった)から生まれ、それをタレスがギリシアに持ち帰り、アメリストスが受け継ぎ、ピュタゴラスが教養教育として整備したとし、その後もアナクサゴラス、オイノピデス、ヒポクラテス、テオロドス、プラトン、その他多くの名前で記されていく。各人についての記述はほんのさわり程度なので、読むこちらとしては軽いフラストレーションを味わうかも(苦笑)。でも、逆に言えば、序文として読者を誘うという意味では優れものなのかもしれない(?)。序文の書き方って、プロクロスの時代(5世紀)からさほど変わっていないということか。