ストラスブールの誓約書

308px-sacramenta_argentariae_pars_longa2月14日といえば世間的にはヴァレンタインデーだけれど、古仏語などをやっている人にとってはまた別の意味合いがある日かもしれない。つまり最古の文献「ストラスブールの誓約書」の日だ。842年の2月14日に、ルイ善良王の息子ルイとシャルルが、長兄のロテールを敵に回して立てた誓いで、ルイの側がロマン語(古仏語)で、シャルルの側がゲルマン語で記している(それぞれの領土はちょうど逆)。中身は「神の愛と、キリスト教の民と我々の民の共通の救いのため、この日より、神が知と力をわれに与える限り、兄弟がそうすべきであるよう、われは弟シャルルをあらゆる援助で支える。ただし、弟もわれを等しく支えることを条件とする。また、われはロタールとは、弟のシャルルに不利になると思われるようないかなる取り決めも行わない」というもの。ちょっと古い本だけれど、山田秀男『フランス語史』(駿河台出版、1994)から重訳(ちょっと正確さには欠けているかしら)。うーん、あえてラテン語ではなく二つの世俗語が併記されているというのがなんとも象徴的。そういえばベルギーの分裂状態はその後どうなっているのかしら……。また、古仏語研究の最先端とかはどうなっているのかも気になるところ。久々に研究動向とかアップグレードしたいところだなあ。

……まったくの余談だが、せっかくヴァレンタインデーなので、世間の恋人たちには、Zガンダム(またその話か……ま、30周年だからな(笑))劇場版3作目のラストに流れる、Gaktの曲Love Letter
iconを捧げよう(今さらだが)。本編全体はともかく、このラストは悪くなかったし。