ビーバー、バッハ

うーむ、やっぱりビーバーのヴァイオリン曲はいいなあ……。今回は「ロザリオのソナタ」ではなく、『宗教的・世俗的弦楽曲集』(H.I.Biber: Fidicinium Sacro Profanum / David Plantier, Les Plaisirs du Parnasse)という、同名の曲集からソナタ12曲を収めた一枚。演奏はLes Plaisirs du Parnasseというアンサンブル。ダヴィッド・プランティエがヴァイオリン&指揮で、アーチリュートを担当するのは以前ザンボーニのCDとかが良かったリュート奏者の野入志津子。端麗な演奏のビーバー。個人的にビーバーの音楽は、気合いを入れて聴くときはもちろん、BGM的に聴き流すときもなぜか可変的に良くマッチする気がする(笑)。もちろん旋律的に気分が盛り上がったりするのだけれどね。

さらにもう一つ。こちらはバッハもの。エンリコ・ガッティとアンサンブル・アウローラによる『フルート協奏曲集』。中身はまず、イタリアの音楽学者ジメイによって復元されたフルート協奏曲ロ短調が世界初録音。ま、世界初録音も復元ものは、まあそれほどありがたみがあるわけではないけれど(失礼)、それに続くブランデンブルク協奏曲5番の初稿版だという三重奏協奏曲ニ長調、管弦組曲二番ロ短調などがなかなか秀逸。落ち着いた雰囲気で、耳に馴染む感じ。それもそのはずというべきか、どれもギャラント様式のものという選曲なのだそうで。
J.S.Bach: Flute Concertos / Marcello Gatti, Enrico Gatti, Ensemble Aurora