イアンブリコス『神秘について』から 2

こちらも間が空いてしまったが、同じく粗訳(今回はπάσχωに当てる訳を変えてみた)。イアンブリコスが説く天の秩序は、下から魂、半神、ダイモン、と続いていることがこの箇所からも分かる。その上に神々が君臨する。

*  *  *

(3.3 続き)
魂も肉体のほうへと来る際には、みずからも、また肉体にもたらす理性も、パトスで動じる[影響を被る]ことはない。というのも、そのような理性は単純かつ一体であり、自分自身からのいかなる混乱も逸脱も許容することはないからだ。実際、今度は魂が、複合体がパトスで動じる原因となるのだが、間違いなく原因は結果と同じものではない。かくして、生まれては死する複合的な生物種の源となる魂は、それ自体では生成も消滅もしないのであり、(一方の肉体は)魂に与り、生命と存在を全体のうちに有してはおらず、不可視のもの、質料とは異質なものに対峙する。魂それ自体が不変であるのは、パトスで動じるものよりも上位の存在だからであり、両方のいずれかへと傾くことでパトスを免れるからでもなければ、(なんらかの)傾向や力に与ることで不変性の獲得をなしえたからでもない。

上位の存在のうち末端の種族、すなわち魂については、パトスへの参与はありえないことを私たちは示したが、そうなると、なにゆえにダイモンや半神にそれを結びつけなければならないというのか?それらは永続するし、すべてにおいて神々に付き従い、神々の秩序づけのイメージをなし、その維持に努め、神々の階級を温存し決してそれを離れることがないというのに?というのも、おそらく私たちは知っているからだ。パトスとは無秩序、不協和、不安定のことであり、まったく自立しておらず、それを支配するものに従属し、生成のためにその奴隷となるのだということを。パトスは、永続し神々の階級に属して神々とともに周回運動を果たすものたちよりも、それ以外の種族にいっそう相応しい。したがってダイモンも、また上位の存在のうちそれらに続くものたちもパトスの影響を受けることはない。