2日間ほど帰省。田舎では暇なので、たいてい何か薄めの読む本を持って行くのだけれど、結局読み切らずに持ち帰ることが多い(苦笑)。今回はBelles Lettresから出ているヌメニオスの断章の希仏対訳本(“Numénius – Fragmenets”, trad. Edouard des Places, S.J., Les Belles Lettres 2003)。で、今回は半分も進まずに持ち帰ってきた。でもこれ、内容的にはとても充実。2世紀後半ごろに活躍したヌメニオスは、新プラトン主義の成立そのものに貢献したなんて言われるけれど、その三神思想とかは実際にとても興味深い(Fr.21)。また、プラトン思想を標榜している当時の人々に、プラトンを正しく継承していないという厳しい批判を寄せたりもしている(Fr24)。ピュタゴラス思想との摺り合わせもあって、さらにモーセにも言及して、「プラトンとは、アッティカ語を話すモーセ以外の何者だろうか?」(Τί γὰρ ἐστι Πλάτων ἢ Μωσῆς ἀττικίζων᾿ ; )なんて言ったりしているという(Fr8)。うーん、このあたりの言及の中身はとても気になるところだ。とりあえず、後半もひととおり読むことにしよう。