中世の「啓蒙思想」

むー、相変わらずの腰痛。こういうときはなかなか集中できないのだけれど、とりあえず、ジェラルディン・ルー編『中世の啓蒙思想』(“Lumières médiévales”, dir. Géraldine Roux, Van Dieren Éditeur, 2009)というのを読み始める。思いがけずマイモニデスやイスラム系の話が主で、ちょっと嬉しい。3部構成の第1部をつらつらと眺めているだけだけれど、ユダヤ教の一部反律法・メシア待望論の人々が焚書に加担していた話とかが面白い(ダヴィッド・ブレジス)。当然、マイモニデスはそれを言語同断とはねつける。そういう蒙昧さに理性でもって立ち向かったというマイモニデス像は健在。編者のルーはマイモニデスが『迷える者への手引き』で理想として説いた「実践なき観想」についての考察。さらにいくつかマイモニデス関係の論考が続き、その後にはニュッサのグレゴリオス論(アラン・デュレル)。けれどもこれはなんだかさわりだけという感じで食い足りないっす(苦笑)。まだ見ていないけれど、第2部にはアル・ファラービー論やらエックハルト論などもある。ちょっと楽しみ。