遅ればせながら知ったのだけれど、大修館書店の『月刊言語』も12月号で休刊だそうな。面白そうな特集が組まれているときだけ買っていた雑誌だったけれど、なくなってしまうとちょっと寂しい気も。80年代くらいから、基本的には高校生くらいから大学院受験生くらいまでを対象とする雑誌だったように思う(それ以前はもっと専門的だったらしいが)。結構古いバックナンバーも以前は手元にあったのだけれど、内容的にもだいぶ古びたものなどが多くて(ソシュールものとか)処分してしまい、あまり残っていない。残っている比較的最近の号では、たとえば「ラテン語の世界」を特集した2002年9月号などがそれなりに印象的。ラテン語のすすめという感じの特集にしては、古典ラテン語に傾斜せず、キリスト教やスコラ学のラテン語についての概括(月村辰雄)や、ダンテの詩作についての紹介(浦一章)、さらには美食のラテン語と題してローマ時代のメニュー用語の紹介(塚田孝雄)などがあってとても楽しい特集になっている。こういう特集は同誌ならではだった。ほかの雑誌ではこうはいかないだろうなあ、と。そういう意味ではとても残念。