久々にまったく未知の曲の数々を堪能。『エコー&リスポスタ – ムーリ修道院付属教会柱廊からのヴィルトゥオーゾ器楽曲』(Echo & Risposta – Virtuoso Instrumental Music from the Galleries of the Abbey Church of Muri / Les Cornets Noirs)。収録されている曲は、いずれも初期バロックのころの作曲家たちのようだけれど(イタリア、ドイツ)、ものの見事に一人も知らないという……。うーむ、久々にくらくらする感覚を味わう。けれどもどれも粒ぞろいの器楽曲。ムーリ修道院というのは、スイスはアールガウ州にあるベネディクト会派の修道院とか。そこの付属教会の建築は音響的に優れているとされ、またオルガンも有名なのだという。なるほどね。この盤はSACDサラウンドのハイブリッド盤なのだけれど、普通のCDで聴く限りはそういう音の立体感のようなものは伝わってこない……(涙)。うーん、やはりSACDでサラウンドでなければダメかなあ、と。とはいえそれぞれの曲は、初期バロックの移行期の作品だけあって(というか、様式というのは絶えず移行しているわけだけれど)とても面白いし演奏も端正でいい感じ。とりあえずはこれだけで結構満足。奏者はレ・コルネ・ノワールというグループ。ツィンク(コルネット?)、バイオリン、ファゴット、トロンボーン、それに教会内の二台のオルガン(左右をそれぞれ福音書側、書簡側というだっけ)という構成。