新刊情報 – ウィッシュリスト

ジャン=クロード・シュミットの名著”Les Revenants”の邦訳が出たみたい。『中世の幽霊』(小林宣子訳、みすず書房)。 名著といえば、メアリー・カラザースの『記憶術と書物』(別宮貞徳監訳、工作社)も復刊されたようで。うむ、このあたりはなかなかめでたい。

中世関係はなんといっても『嘘と貪欲』がよかった大黒俊二氏の『声と文字』(岩波書店)が期待大。これで岩波の「ヨーロッパの中世」シリーズは一応の完結。あと、エーリック・アールツ『中世ヨーロッパの医療と貨幣危機』(藤井美男監訳、九州大学出版会)なんてのも出ている。アールツ教授(レウヴェン大学)講演録第二弾だそうで、タイトルがなかなかそそる感じだ。ちなみに第一弾は2005年に出た『中世末南ネーデルラント経済の軌跡 – ワイン・ビールの歴史からアントウェルペン国際市場へ 』

ルネサンス以降ものも、このところいろいろ出ていて活況。まず注目株は平井浩編『ミクロコスモス – 初期近代精神史研究 第1集』(月曜社)。気鋭の研究者編纂による論文集とのことで、かなり期待できそう。月曜社の古典転生シリーズの別巻1となっているけれど、同シリーズは2006年のエミール・ブレイエ『初期ストア哲学における非物体的なものの理論』以来だ。ルネサンスものでは、昨年末ごろに出たらしい根占献一『ルネサンス精神への旅』(創文社)なども面白そう。副題が「ジョアッキーノ・ダ・フィオーレからカッシーラーまで」となっていて、スパンがすごいっすね。ヨアキムから語り起こそうというあたりが注目かな。ヘルメス思想関連では、マージョリー・G・ジョーンズ『フランシス・イェイツとヘルメス的伝統』(正岡和恵ほか訳、作品社)とかも食指をそそられる。

「新刊情報 – ウィッシュリスト」への1件のフィードバック

  1. シュミットなどによる Moines et démons: Autobiographie et individualité au Moyen Âge central というカンファレンスが近々あるようです。http://calenda.revues.org/nouvelle15943.html

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