メルマガとの関連もあって、このところオリヴィエ・ブールノワによるスコトゥス論『存在と代示』(Oliver Boulnos, “Être et représentation”, PUF, 1999-2008)を部分的ながら眺めている。これがまた、なかなかに面白そうだ。副題が「ドゥンス・スコトゥス時代における近代形而上学の系譜」となっていて、全体としてはスコトゥスを中心としつつ、同時代的な(13世紀から14世紀)形而上学の一大転換の諸相をテーマごとに追っていくという体裁らしい。スコトゥスの革新性はかつてジルソンなどが語っていたわけだけれど、これはスコトゥスに結集するフランシスコ会などの流れなどをも視野に収めつつ、より細やかで幅広いアプローチを取っている感じだ。通読したわけではないのでナンだけれど、中心となるのはタイトルにもあるように「代示(representatio)」の問題で、その表象論・認識論的な拡張の先には当然というか神の問題、神学(存在神学)の転回が控えている、という次第。けれども個々の細部の結構興味深いので、少しまたメモでもしながら読んでいきたいと思っている。