医療占星術がらみで、プトレマイオスの『テトラビブロス』(Loeb版:Ptolemy, “Tetrabiblos”, trans. F.E.Robbins, Loeb Classical Library, 1940 – 1998)を改めて読み始める。数年前に一度眼を通した第一巻も、中身は結構忘れてしまっている(笑)が、今回は出生占星術についての第三巻を中心に見ていこうとしているところ。実はそれも少しは読みかけていたようで、多少の書き込みはあるのだけれど……(苦笑)。前回は漠然と眼を通しただけだったからなあ。やはりなんらかの問題意識のもとに読まないと、ちゃんと頭に残らんっすね。ま、それはさておき、同書に関連して、ネットで公開されている報告、山本啓二「中世における「テトラビブロス」の伝承の研究」も見てみた。2006年の報告。写本の系譜を丹念に追っている労作に、思わず頭が下がる思い……。Loeb版の序で触れられているギリシア語写本やラテン語訳についての解説が更新された感じで嬉しい。とりあえず確認されている最古のラテン語訳は、フナインのアラビア語訳(正確には改訂版?)を1138年にティヴォリのプラトーネが訳したもの、ということでよいのかしら。そういえば、12世紀のクレモナのゲラルドゥスの訳とかいうのもあるといった話もあったような……?山本氏の報告では、1206年の訳者不明のラテン語訳というのにも触れている。
うーむ、個人的には16世紀にバーゼルで出版された版が残っているらしいポルピュリオスの注釈書(校訂版があるという)、さらに同じく16世紀バーゼルのプロクロスの注釈書(パラフレーズ)を見てみたいものだ……と思っていたら、とりあえずGoogle検索で一番上にくるJ.M.Ashmand訳のテトラビブロス(1822年)って、もとになっているのが1635年のライデンの版、つまりプロクロスのパラフレーズ版なんだそうな。おおー、素晴らしいでないの。ほとんど灯台もと暗しって感じ。
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