「ポーカー・フェイス」賛

小説でもドラマとかでも、ミステリーものは基本的に嫌いではないのですが、10年くらい前から人気だという北欧系ミステリーは、なにやら暗ーい話が多くて、ときに食傷気味になったりもします。もっと軽妙でお気軽なコメディ系ミステリーが観たい、なんて思ったりするわけです。で、そういう需要に適うシリーズとして、個人的に気に入っているものの1つが『ポーカー・フェイス』です。日本ではu-nextで、最新のシーズン2まで配信されています。https://www.imdb.com/title/tt14269590/

ナターシャ・リオン(ほとんど知らない女優さんでした)演じる主人公のチャーリーは、本能的に、他人がついた嘘を見分けるという特殊能力があるという設定です。彼女のこの特殊能力を悪用しようとしたマフィアの逆恨みで追われる身となってしまうのですが、一方でこの特集能力ゆえに、犯罪を嗅ぎつけ、その解決に一役買うことにもなリます。こうして、追われる身ながらも、道中で起きる様々な事件を解決していく、というシリーズです(基本的に1話完結の単発系ミステリーですね)。

この「嘘がわかる」というのはなかなか見事な、絶妙な設定です。嘘によって犯人の目星もつくし、動機やトリックも推測できたりするわけですからね。謎を解くための捜索範囲の絞り込みも容易になりますし、犯人との掛け合いの妙にもなりえます。単発系ミステリーにとてもフィットする設定なのですね。

全編に散りばめられているギャグも、なかなかよくできていておかしいし。プロットも実に秀逸ですし、弱者に寄り添うチャーリーのキャラクターも、とてもいい感じです。というわけで、これはポップでライトなミステリーとして、大いにおすすめしたいシリーズ。コロンボみたく続いてほしいなあ、と思いますね。