Monkey Business

Monkey Businessちょっとうっかりしていたのだけれど、先日、出先の駅近くの書店に平積みになっているのを見て購入した、柴田元幸責任編集の『monkey business vol.3.5』。vol.1が良かったので続けて買おうと思っていたのに、すっかり忘れていた(苦笑)。例によって岸本佐知子の「あかずの日記」はむちゃくちゃ可笑しい。電車の中で開いて、笑いをこらえるのがしんどいほどだった(近くにいた乗客がもしこちらを見ていたとしたら、顔を引きつらせているおっさんをきっと不気味がっていたことでしょうね)。寄稿している川上未映子とか川上弘美とか、なんだかとても「異世界」な文章の書き手たちが集まっている感じで、その変な違和感こそがこの雑誌(?)の最大の持ち味かも。なんでvol.3.5なのかと思っていたら、サリンジャーの『ナイン・ストーリーズ』(柴田訳)で丸一冊仕上げたのがvol.3だったのね。こちらは取り寄せて読んでいるところ。うーん、実に変な味わいの、これまた微妙な「踏み外し感覚」がずっしりくる短編がずらりと並んでいる。『ナイン・ストーリーズ』は初めて読むのだけれど、なるほど新潮文庫版(野崎孝訳)もあるのか。