「人間を一番ひどくあざむくものは、その人自身の考えである」
既存の考え方がしばしば人を迷わせる……このマスターズの評伝を読むと、ダ・ヴィンチの生涯はひたすらそうした迷いの軌跡を描いているように思えてくる。それはまさにルネサンス、人間が現世の物事に詳細な目を向ける時代の、もう一つの側面でもあるように見える。うーん、よるべない人間……まさにそれゆへ、か細い「よるべ」として、広い意味での媒体が浮上してきたのかもしれない。絵画の画材の変化や木工技術の革新など、広義のメディアが立ち上がるのは、まさにそうしたよるべなさと表裏一体……。
投稿者 Masaki : 2004年05月14日 17:25