2007年11月17日

イシドルスの「数の書」

仏羅対訳本でセビリャのイシドルスによる『数の書』("Liber nvmerorvm - Le livre des nombres", trad. par Jean-Yves Guillaumin, Les Belles Lettres, 2005)を読む。秘数論というわけではないけれど、もとより数のシンボリズム・寓意は面白い。しかもイシドルス。『語源論』などよりはるかにマイナーだというこの『数の書』、数字を順に取り上げて、それぞれにまつわる聖書(旧約・新約)の寓意、あるいは異教的なシンボリズムをまとめるという趣向で、1から20までは順番ながら、そのあとは24、30、40、46、50、60、そしてペンテコステの計算方法という話で閉じている。編訳者の解説によれば、古典的な異教の数量学はマルティアヌス・カペラが唯一のソースなのだという。さらにソースとしてはアウグスティヌスが大きな割合を占めているそうで。実際、たとえば「6」の箇所をみると、アウグスティヌス的な旧約からの時代区分(6分割)が紹介されているし、成長の6段階説、存在の6段階説なども同じくアウグスティヌスから取ったものだという(注釈による)。うーん、なるほどやはりアウグスティヌスか。解説部分の末尾には聖書の参照箇所が一覧で表になっていたりして、これも便利そう。

投稿者 Masaki : 22:10