このところの中世史・中世思想関連本のリスト。
『バスティード – フランス中世新都市と建築』伊藤毅著、中央公論美術出版)
『石による形と建設 – 中世石切術から一九世紀載石術まで』(エンリケ・ラバサ・ディアス著、入江由香訳、中央公論美術出版)
『図説西欧の修道院建築』(ヴォルフガング・ブラウンフェルス著、渡辺鴻訳、八坂書房)
『アキテーヌ公ギヨーム九世』(中内克昌著、九州大学出版会)
『ものと技術の弁証法』(堀越宏一著、岩波書店)
『伊藤俊太郎著作集 第一巻、初期科学史論文集』(麗澤大学出版会)
『トマス・アクィナスの心身問題』(川添信介訳、知泉書館)
『子どもたちに語るヨーロッパ史』(ジャック・ル・ゴフ著、前田耕作監訳、ちくま学芸文庫)
まずは建築関係から三つほど。最初は都市論としてとても面白そう。
続くこれは石をテーマにした論考のようだけれど、高額なので図書館入りを待つ感じ。
修道院建築についての一冊。写真や図に期待。
トルバドゥールとしても有名なギヨーム9世の研究。期待大。九州大学出版会はいろいろ頑張っている感じだ。
岩波の「ヨーロッパの中世」シリーズ第5巻。個人的には技術論は注目大。このシリーズもそろそろ完了だよね。
昨年秋から刊行が始まっている伊藤俊太郎著作集から。第一巻のほか、第二巻「ユークリッドとギリシアの数学」もぜひ。
トマスの『対異教徒大全』の部分訳。嬉しいことにラテン語対訳本。いいっすね。こういう対訳本はもっと出してほしいところ。
ご存じル・ゴフによる入門書らしい。「娘に語る」「子どもに語る」みたいなタイトルはフランスで一時流行った入門書タイトル。内容は結構面白かったりするので、これにも期待しよう。

Ch.バーバー&D. ジェンキンズ編『「ニコマコス倫理学」の中世ギリシア注解書』(“Medieval Greek Commentaries on the Nicomachean Ethics”, ed. Ch, Barber & D. Jenkins, Brill, 2009)を読み始める。中世ギリシア語圏での『ニコマコス倫理学』の注解書がどんな感じなのか、ちょっと興味が湧いての購入。まだ、事実上のイントロダクションという感じのアンソニー・カルデリスの最初の論文「12世紀ビザンツの古典学」をざざっと眺めただけで、『ニコマコス倫理学』の問題には入っていないのだけれど(苦笑)、うーむ、すでにして、やはりビザンツは中世思想史においても巨大な空隙だったのだなあ、ということを改めて感じさせられる。この論集自体もそうだけれど、西欧では今やあちらこちらでビザンツ世界の再評価が始まっている感じなのかも。同論文、西欧が古代ギリシアの文献に向ける視線の在り方は、実はビザンツの学者が大枠を定めてしまっていたことなどを指摘し、また12世紀ごろのビザンツの学者たちが、イデオロギー的にも環境的にも(辞書や文法書の整備など)、古来の文献の精査に十分なだけの準備ができていたことを論じている。うーん、出てくる名前とかも、プセロスなどの有名どころ以外は初めて聞く名が多い。これは気を引き締めて臨むことにしないと(笑)。