惣領冬実の傑作コミック『チェーザレ–破壊の創造者』はいつのまにか第6巻が出ていた。前巻の最後でいよいよ学生時代は終了で、政争のただ中へ……かと思いきや、ちょっとその後日談的。でも話としての起伏はあり、いろいろ大変な事件が起きている。後半はちょっとチェーザレとミゲルの幼少期の話。それにしても今回も精緻な絵づくりが凄すぎ。いつも楽しみな巻末のおまけは、作者によるピサの町並みの復元(早い話メイキングですね)と、ルネサンス期についての背景知識の解説(今回はクリスマスが近いからか、ミサの話)で、とりわけ前者の緻密な復元作業の過程が素晴らしい。そうしてできあがった復元図が惜しげもなくコミックの舞台に投入されていると思うと、なんとも贅沢。