少し前から耳にしていた「出版スパム」という話。版権切れの古典などを集中砲火的に再出版するという行為らしく、中にはwikipediaの中身そのものだったなんて話も聞くけれど、たとえばErnst Diehl編のプロクロスの『ティマイオス注解』なんかもその筋(Nabu Press)から出ていて悩ましい。実はこれ、出版スパム話を知る前に1巻を購入していたのだけれど、確かに背表紙とかにも何も印字されていなかったり、再版している出版社名が表示されていなかったりと、なにやらえらく怪しすぎる(笑)。まあ、中身はDiehl版そのものの丸ごとコピーなので、その意味での問題はなさそうではあるのだけれど、こういうのはどうなのか……。PDFで落とせるならそれで十分という気もするが、今見るとGoogleはプレビューを切ってしまっているし、PDFを丸ごとダウンロードできるところが見あたらない(うーん、探し方が悪いのかしら?)。2巻以降もできれば欲しいのだが、この怪しげな本をシリーズで購入するのもちょっとためらわれる気が……。
ちなみに、冒頭の序の部分を読んだだけだけれど、本文そのものはやはりとても面白い。『ティマイオス』はピュタゴラス学派の学知がベースになっていることが強調され、さらにコスモロジー的な部分は『ティマイオス注解』、存在論(一者論)的な部分は『パルメニデス注解』に振り分けられているといった、プロクロスが考えている注解書相互の相補的な関係なども改めてわかる。
『ティマイオス注解』のpdfは、
Internet Archive(http://www.archive.org/index.php)
にあるようです。
この本自体は著作権法に反するものではないと思います。
Nabuのやっていることが、まともな商売かどうかはともかく。
ありがとうございます。PDFをオンラインで読むのでもいいのですが、やはりダウンロードして手元で……と思ったもので(笑)。いずれにせよ、変なことをしている(?)らしい社に資するというのは、やはりあまり気分のよいものではありません……。
あの、私が勘違いしているのかもしれませんが、
Internet Archiveの個々の本の画面右端View the bookのAll Files: HTTPから入ってpdfファイルを選んで右クリックの保存をするとダウンロードできます。
たびたびすみません。
「画面右端」と書いてしまいましたが、「画面左端」でした。
失礼しました。
ほんとだ。この部分スルーしていました(苦笑)。ご指摘ありがとうございます!