久々にウィッシュリスト(笑)。この秋から冬にかけては例年に比べめぼしいものが少なかった。うーん、冬から春にかけては期待したいところだが……。
- 『戦闘技術の歴史 -2 中世編』(マシュー・ベネットほか著、創元社)
まずはこの戦闘技術の歴史の2巻目。中世初期から中期あたりの戦闘技術が中心らしい。つまりノルマン人の侵攻とか十字軍、バイキングあたり。ちなみに1巻目は古代。このシリーズ、図版などがたくさん入っているのだとか。現物を書店で手にとってみたいところだ。 - 『伊東俊太郎著作集 第3巻 中世科学から近代科学へ』(麗澤大学出版会)
科学技術関連での注目はこれかな。アヴィセンナやロジャー・ベーコンなどについての考察とかが収録されているようだ。伊東俊太郎著作集は12月に最新の4巻「比較科学史」も配本されている。 - 『イギリス・フランスの中世ロマンス』(今井光規ほか著、音羽書房鶴見書店)
これは内容はちょっと不明。文学研究ということだろうけれど、副題が「語学的研究と文学的研究の壁を越えて」とあるようで、そのあたりがとても気になる(笑)。なにしろ両者の壁はなかなか越えられないからねえ……なんて。これもそのうち書店で中身を見てみたい。 - 『ドイツ中世美術 -2』(岡野Heinrich圭一著、専修大学出版局)
ドイツのゴシック期の建築、彫刻、絵画を論じたものらしい。ちなみに2008年に出ている1巻目はカロリング朝以前からオットーにいたるまでのロマネスク時代の建築などを扱っている。 - 『古代の世界・現代の省察』(G.E.R.ロイド著、岩波書店)
副題が「ギリシアおよび中国の科学・文化への哲学的視座」となっている。古代ギリシアと中国の比較文明論みたいな感じなんですかね。 - 『天使はなぜ堕落するのか』(八木雄二著、春秋社)
ドゥンス・スコトゥス論で有名な八木氏の新刊。600ページ近い大著らしいけれど、これは個人的に期待大。アンセルムス、オリヴィ、ドゥンス・スコトゥスなどを論じている模様。 - 『ローマの遺産 – 〈コンスタンティヌス凱旋門〉を読む』(フェデリコ・ゼーリ著、八坂書房)
美術史家ゼーリの講演録らしい。「古代後期ローマの錯綜した文化の状況を鮮やかに再現」と紹介されている。訳者はblog「ヘルモゲネスを探して」でおなじみの大橋氏。これも期待大。 - 『大学の起源』(C.H.ハスキンズ著、八坂書房)
同じく八坂書房から、かつて教養文庫で出ていた(77年)ハスキンズ本が新装で復刊。このところ危機感の表れという感じで大学論がかまびすしいけれど、そんな文脈での復刊でしょう、きっと。でも、中世の大学成立史はちゃんと押さえておかないとね。