今回のウィッシュリストは厳密には「新刊」じゃないかもしれないので番外編(笑)。なにしろ「書物復権」からなので……。
これも『天使はなぜ墜落するのか』が好調だという「八木雄二氏効果」の現れかしら(?)今年の「書物復権」にはいつになく中世ものが!
勁草書房からはジョン・マレンボンの二冊。『初期中世の哲学』(J.マレンボン著、中村治訳、勁草書房、1992)と、『後期中世の哲学』(J.マレンボン著、加藤雅人訳、勁草書房、1989)。原著はそれぞれ1983年と87年に出たもの。マレンボン(Marenbon)というと、『ルートリッジ哲学史』第三巻中世哲学(“Medieval Philosophy: Routledge History of Philosophy Volume 3”)とかの編者。ほかにアベラールの概説書やボエティウスの概説書などもある。
みすず書房からは『アウグスティヌスとトマス・アクィナス』(E. ジルソン著、服部英次郎ほか訳、みすず書房、1998)。エティエンヌ・ジルソンものだけれど、原典はドイツ語のよう。
それからこれは中世ではないけれど、岩波書店からも興味深い一冊が復刊。『古代文字の解読』(高津春繁、関根正雄著、岩波書店、1964)。巨匠二人による、19世紀以降の文字の解読の歴史をたどるエッセイ本らしい。いいっすねえ、こういう復刊は大歓迎。