やっぱり工学からのアプローチは期待の星
遅まきながら、ベルクソンの『物質と記憶』をめぐる三部作の最終巻『ベルクソン『物質と記憶』を再起動する——拡張ベルクソン主義の諸展望』(平井靖史、藤田尚志、安孫子信編、書肆心水、2018)を読了しました。個人的には三部作の中で最も刺激的でした。というのも、ここでは工学からのアプローチが大きな比重を占めているからです。情報工学的なモデリング(AIとかの)を通じて、ベルクソン的な問題系との比較、検証、修正などを図る、というのはとてもスリリングですね。なかでも谷・三池・平井の三氏による鼎談は、アイデアの活発なキャッチボールという感じで、臨場感にあふれた優れものという感じでした。
作って検討、というのは、これから様々な分野で活性化されてしかるべきアプローチのような気がします。