corpus hermeticumよりーー音楽の喩え 7 – 8

前にも触れたけれど、このXVIII章は基本的に王(ならびに最高位の神)を讃えることがメインモチーフとなっている。それが徐々に前面に出てくるのはこの7節以降から。

7. これはまた、私が自分が被ると感じるところのものである。いと高き方々よ。というのも、まさに今しがた私は自分の弱さを認め、少し前には自分が病弱であると感じていたが、より上位にある方の力によって、王のための歌を仕上げ、歌うことができそうだからだ。したがって、助力によって行き着く果てには諸王の栄光があるのであり、その記念碑からこそ私の言葉の熱意が生じるのである。では先に進もう。それが音楽家の望みなのだから。では急ごう。それが音楽家の意志なのだし、そのためにリュラを調弦したのだから。かくして、与えられた指示がよりよい音を求めるほどに、より甘美な調べを歌い、より心地よい曲を演奏するようになるのだから。

8. 諸王のためにこそ、音楽家はリュラを調弦し、讃える音型を用い、王からの賛辞を目的とするのである。まずはあらゆるものの最高位の王、すなわち善なる神のためにみずからを奮い立たせるのだ。歌はまず高みから始め、神の似姿において支配権をもつ第二の層へと下っていく。というのも、諸王にとってお気に入りであるのは、歌が高みから順に階層を下っていき、彼らに勝利がもたらされたその場所から、継承される希望が導かれることだからだ。