Early Greek Philisophy VI

第6巻の主役はアナクサゴラス、でも……


 Loebのギリシア初期哲学集成、6巻目は「後期イオニア・アテナイの思想家たち」のパート1。書籍の大きな部分を占めているのは、アナクサゴラスについてのテキストですね。ほかにアルケラオスやアポロニアのディオゲネス。アナクサゴラスの、ヌースと無限のヒューレー(物質)が世界の本源である、という思想は、アリストテレスあたりをいったん通過していると、意外性はあまりないかもしれません。もちろん思想史的な重要性は別ですけれど。アルケラオスは世界の本源は火と水(熱・冷)だとしていますね。

 個人的にはむしろ、アポロニアのディオゲネスが面白いと思いました。世界の本源は空気であるとし、その濃淡によって様々なものが生成するとされ、魂もまた空気にほかならないのだ、なんて説いていますね。呼吸のコスモロジー。あれ、これってどこかで聞いたような(笑)。

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