W.F.バッハのカンタータ

いわゆる大バッハの長男、ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ。2010年は生誕300年だったのだそうだ(まったくノーマークだった……)。というわけで、DVDで出たそのカンタータ演奏を視聴する。『バッハ、ヴィルヘルム・フリーデマン(1710-1784)/Cantatas: R.otto / L’arpa Festante Mainz Bachchor Etc』という1枚。マインツにあるアウグスティーノ教会での世界初録音とのこと。教会内部の見事な天井画などが映し出される映像も見応えがある。演奏がまた実に素晴らしくてぐいぐい引き込まれる。演奏するのはマインツ・バッハ合唱団とラルパ・フェスタンテ。指揮はラルフ・オットー。どうもバッハの子どもというと、次男のC.P.E.バッハとかが有名な感じがするけれど(石井宏『反音楽史』では末っ子のヨハン・クリスチャン・バッハが高い評価を受けていたとされていたっけ)、この長男だってなかなか素晴らしい曲を手がけているでないの。残念なことに第二次大戦で作品の多くが失われたという話だけれど、チェンバロ協奏曲とかソナタとかは残っているらしい。で、今回はカンタータ4曲とシンフォニア1曲の収録。全体として、晴れやかでのびのびとした曲想が妙に映える感じで、個人的にはとても気に入った(笑)。