中世の存在論とか個体化論などのはるかなる延長線ということで、現代の分析哲学系の形而上学も気になるのだけれど、これはこれでなかなか手強そうではある。そんなことを改めて感じさせるのが、セオドア・サイダー『四次元主義の哲学』(中山康雄監訳、春秋社)。まだ読み始めたばかり(2章まで)なのだけれど、時空的変化を踏まえた存在論という感じの基本スタンスを示す第一章はなかなか軽快な感じで進み、なるほど中核的なアイデアはそれほど面妖なものでもなさそうだ、なんて思えたのだけれど、2章の「現在主義への批判」にいたると、ちょっと個人的に読み進むのに疲れてくる(苦笑)。マクタガート以来の時制論のたぶん簡便な整理になっているのだろうけれど(?)、すでにしてかなり重厚な議論の積み重ねが背景にあるいることがわかる。うーん、そのあたり、なかなか簡単には入っていけないっすね。3章以降が再び四次元主義の具体的な話になるようなので、改めて期待しているところだけれど、まあ、ちょっと行きつ戻りつしながらゆっくりと進めていくことにしようかと。