フレンチタブのビウエラ本

先日、リュートの師匠のところで共同購入の形で取り寄せていただいた、フランス式タブラチュアによるビウエラ曲集『ビウエラのための三つの曲集(“Tres Libros de Musica para Vihuela” ed. Dick Hoban, Lyre Music Publications, 1996)』。これを空き時間にちょこちょこと眺めている(笑)。ビウエラ曲は普通はイタリア式タブラチュア(数字式)だけれど、これはそのフランス式(アルファベット式)でのトランスクリプション版。リュートは一般に、まずはフランス式で習い始め、やがて進んできたらイタリア式も学ぶというのが普通だけれど、人によってはこれが取っつきにくさにもなるのだという。同書はそうしたイタリア式の壁を低減させようという試み。なかなかよく出来ている感じだ。師匠の受け売りだが、ビウエラ曲の普及という意味でもこれは結構有用かもしれないなあ、と。個人的には、ゴンザレスのビウエラ曲集CD-ROMに当たりを付けるための参考資料として使おうと考えている。とりあえずこのフランス式で適当にさくさくと弾いてみて、面白そうならちゃんとしたイタリア式の原典を見てじっくり……みたいな使い方を想定。ま、ルネサンスものについては実はイタリア式タブラチュアのほうが好みだったりするし、逆にフレンチ式で書かれた曲のイタリア式トランスクリプションとかもあってもいいかも、なんてこともちょっと思ったり(それってまったくもって現実的ではないが……苦笑)。