ブリューゲル展

夏休みの締めくくり的に、Bunkamuraのザ・ミュージアムで開催されている「ブリューゲル−−版画の世界」展を観に行く。館内に置かれている展示一覧のリストに、夏休み向け企画ということらしく子ども向けのミニクイズとかがあって、ちょっと微笑ましい。ブリューゲルの造形の面白さを、たっぷり味わってもらおうという趣向かしら。平日の昼間だけあって入場者数はそれほど多くなく、比較的ゆっくり見ることができてうれしい。全体はテーマ別の構成になっていて、風景もの、寓意もの、船、教訓話、諺、民衆の生活などに分かれている。個人的には最初の風景ものと寓意ものが面白い。聖書の挿話を画面の隅に配置して、あとはひたすら風景描写を行うのが風景もの。ヒエロニムス・ボス風の奇妙な造形が増殖するのが寓意もの。展示品の大半は版画だけれど、ブリューゲルの素描も数点あったし、ブリューゲル本人が携わったというエッチングもあった。これがまた他とは全然表現力が違う感じで、小品ながら圧巻。

面白かったのは、楽器が二点参考展示されていたこと。一つはキハーダ(quijada:スペイン語)というロバなどの下あごをそのまま打楽器にしたもの。もう一つはリュートを葬った一因とも言われる(苦笑)ハーディーガーディー。キハーダについては、YouTubeに紹介映像などがある。実際のパフォーマンスの一例を貼っておこう。