いやー、それにしても最後の3曲なんかの盛り上がりは最高。CB185「Ich was ein chint so wolgetan(私はおとなしい娘でした)」のサビ「Hoy et oe, / maledicantur thylie / jusxta viam posite」、CB200 「Bache, bene venies(バッカスよ、ようこそ)」のサビ「Istud vinum bonum vinum, vinum generosum, / reddit virum curialem probum animosum」なんかは耳について離れない。ついいっしょに歌ってしまう(笑)。締めのCB196「In taberna(居酒屋で)」も実にいい。やはりこういう酒の歌が個人的にはお気に入り。ラブレー的世界に乾杯。
こちらも最近アマゾン・ドイツのマーケットプレースから届いた一冊。ルイス・ミランのビウエラ曲集(Luis Milan, “Libro de musica de vihuela de mano”、1535)。もとは1927年にライプチヒで出たオリジナルのタブラチュアと五線譜の「対訳本」で、94年にそれをリプリントしたもののよう。抄本かなと思っていたら、ちゃんとフルバージョンで、40曲余りのファンタジアその他諸々がすべて入っていた。わぉ、こりゃ嬉しい(笑い)。こういうのを眺めていると、ルネサンス・リュートで弾くのもいいけれど、ちょっとマジでビウエラを入手したくなってくる(笑)。個人的にはイタリア式のタブラチュアもそれなりに馴れてきたと思うけれど、このミランのタブラチュアは通常のイタリア式タブラチュアと上下が逆、という不思議なもの。このあたりに何か意味があったのか、というのはとても気になるところ。ま、それよりもなによりも、ルイス・ガセル『16世紀の演奏習慣に見るルイス・ミラン』(Luis Gasser, “Luis Milan on Sixteenth-century Performance Practice”, Indiana University Press, 1996”)なんてのもしばらく前から積ん読になっているので、まずはそちらを読んで勉強しよう(笑)。
今朝届いた荷物は、なんとまあ注文から1年以上経っていた本たち。クリスティーナ・ヴィアーノ編『アリストテレス・ケミクス』(Christina Viano (ed), “Aristoteles chemicus – Il IV libro dei Meteorologica nella tradizione antica e medievale”, Academica Verlag 2002)ほか一冊。イタリアの古書店に注文して、発送の連絡を受けてからひたすら待ち続け、半年近くたったところで問い合わせメールを出したら、「セカンドコピーを送る」との返事をもらい、さらにひたすら待って、昨年秋ごろに再度問い合わせメール。「確認して、対応する」との返事が来たものの、やはり荷物はとどかず、これは完全にロストしたかもなあ、と思って半ばあきらめていた。それがやっと到着。見ると、書籍を入れた袋の表面には幾十ものテーピング。そして発送日は今年の4月6日になっているでないの。ってことはこれ、宛名違いか何かで日伊間を数回往復していたのかも(???)。いや〜長旅ご苦労様という感じ。そう思うとひとしおですなあ。まだ中身はちゃんと見ていないけれど、アリストテレスの『気象論』第4巻(熱やら物質変成やらを扱った箇所)の後世の注釈などを取り上げた、99年のセミナーの論集で、目次を眺めるだけでも大いに期待できそう(笑)。