マルティノフにハマる

ブログに古楽話を書かなくなって久しいが、これは端的にこれといった話題がないというのが大きい。十年一日という感じで、プレーヤーたちもそのまま、新しい人も多少出てきてはいるらしいけれど、まだ特筆すべきものはあまりなさそうに見える。ムーヴメントとしても下火。良い意味で成熟したということなのだろうか(?)。

そんなわけで、個人的には古楽プロパーなものから少し離れ、古楽的な音型や着想を生かした現代音楽のほうに少し目が向いているというのが、このところの嗜好でもある。……というわけで、以前記したペルトに続き、今度はロシアの現代作曲家、ウラジーミル・イヴァノヴィチ・マルティノフに惹かれている。これまた生音で聴く機会はまだないけれど。NAXOSライブラリーのリストはこちら。全体としてはやはり一種のミニマル・ミュージック志向なのだけれど、どこかで聴いたことがあるような親しみやすそうなフレーズを用い、それになんらかの反復(音型、パーカッションなどなど)を加えることで、一種の異化作用を醸し出すというのが基本的なスタンスのよう。クラシカルな旋律に抑制の利いた反復がほどこされているものや(1988年の「Come in !」:これは名作)、反復がそうした抑制を逸脱していくかに思えるもの(1998年の「至福(The Beatitudes)」、2009年の「シューベルト・クィンテット(未完)」)、反復がときに過剰にまで至ったりするもの(1976年の「パルティータ」)までいろいろ。そしてそのいずれもがなかなか見事にキマっているように思われる。合唱曲も同じような作りで見事なもの(上の「至福」を用いた「山上の垂訓」、「エレミアの哀歌」)。ミニマル・ミュージック的な反復と声楽曲というのは不思議に調和する。

シレンシオ -沈黙-上の「Come In !」が収録されているアルバム『Silencio(シレンシオ -沈黙-(B009ZH4LL8)は、ほかにペルトやフィリップ・グラスの曲も入っていて、個人的にはお気に入りの一枚。ギドン・クレーメルのヴァイオリンがまた絶妙で素晴らしい。

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