エンゲルベルク写本

久々に声楽曲を何枚か聴いているところ。そのうちの1枚がこれ。『エンゲルベルク写本314』(Codex Engelberg 314)。エンゲルベルクというとスイス山間部の町で、12世紀ごろからベネディクト会の修道院を中心として栄えた場所とか。で、14世紀後半に、その修道院の僧侶たちが集め編纂した歌集が、「エンゲルベルク写本314」というものなのだという。ラテン語のほかドイツ語の歌詞の曲も収録されているといい、当時のドイツ語圏音楽の一端が見られるものだという。以上ライナー。歌曲の多彩さもさることながら、ドミニク・ヴィラールの指揮でスコラ・カントールム・バシリエンシスの聖歌隊が演奏しているのだけれど、これがなんとも秀逸。実に柔軟に対応している感じ。透明感といいアンサンブルの調和といい、とても充実した時間が過ごせる。個人的には、お見事というしかない一枚(笑)。