「神々の黄昏」

昨日だけれど、新国の『神々の黄昏』の再演を観る(このところ春休みっぽく遊んでいるなあ)。いわゆるトーキョーリングのツィクルス最終話(第3夜)。前回4年かけてツィクルス上演があったときには、この第3夜だけ見逃した。前年の『ジークフリート』がめちゃくちゃ良かったので、たぶんN響ファンとかが一気になだれこんだのだろう(かな?)、チケットがあっという間に売れてしまい取れなかった。というわけで、今回は個人的には6年越しのツィクルス完結(めでたしめでたし)。今回の演奏は東フィルで、前のツィクルスの除夜、1夜のときとはうって変わって(当時はさらさらと流れるようなワーグナーだったような)、結構厚みのあるずっしりとした音。すげーかっこいい(笑)。指揮はダン・エッティンガー。拍手。

一方、ソリストたちは、うーん、という感じも。特に歌唱にムラっ気を感じさせるジークフリート役とかね。個人的に『黄昏』は、ハーゲン役が重要な気がする。ハーゲンに存在感がないと、作品が締まらずバランスが悪くなっちゃうような。で、今回のハーゲン役はまずまず(もうちょっとアクがあってもいいかも)だけれど、あの「ハイホー」は、もうちょっと何とかして〜という感じだった(苦笑)。キース・ウォーナーの舞台演出は、相変わらずCGとか舞台装置とか駆使しまくる楽しいものだけれど、それほど意外性もなく、またそれほど邪魔でもない、という程合いか。キッチュさがほどよく殺がれて、結構舞台に溶け込んでいる感じもした。『黄昏』の場合には作品世界自体にぐいぐい押す力があるので、下手な小細工はいらないということかもしれないけど。ラストは大いに盛り上がった。いいねえ、これ。大拍手。