帰省中もiPodで聴いていたのがこれ。『バルカレス・リュートブック』(The Balcarres Lute Book)。これがまたとても良い(笑)。バルカレス・リュートブックというのは、17世紀末ごろの英国のリュート曲集なのだそうだけれど、バロックというより、よりルネサンス的なというか、民衆音楽的な雰囲気を湛えたどこか素朴な曲集。それもそのはずで、ライナーによると、スコットランドの民謡や、英国のエア、バイオリン曲のアレンジなどが入っているものなのだとか。基本的にはフレンチのバロックリュート(11コースもの、Dマイナーチューニング)用とのことで、18世紀初めごろは英国の12コースの楽器よりもそちらが好まれたらしいという。シルヴァン・ベルジュロンの演奏は、これを実に見事に美しく、時にしめやかに、時にドラマチックに歌い上げてくれる。この人、ポール・オデットやオイゲン・ドンボワに師事したとある。しかもあの古楽アンサンブル「ラ・ネフ」(個人的には『ペルスヴァル – 聖杯伝説』のメロウな録音が最高!)の共同創設者だったとは!お薦めっす(笑)。