スポメニック

謎な巨大建造物たち


 先日、アマプラで『最初にして最後の人類』を観ました。2018年に急逝したアイスランドの作曲家ヨハン・ヨハンソン(『メッセージ』とかの映画音楽を担当していた人物です)が監督した、ちょっと風変わりなフォト・ノベルのような作品。16ミリフィルムで撮影されたという、旧ユーゴに点在する巨大な記念建造物「スポメニック」を延々と映し出しながら、ヨハンソンの音楽とティルダ・スウィントンのナレーションで、SF作家オラフ・ステープルドン(『スターメイカー』の作者ですね)の原作をひたすら読み上げていくというものですが、映像と聲と音が、なにやら異様な迫力で迫ってきます。

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 なんといっても、スポメニックの異様さが際立ちます。異様さ、というと語弊があるかもしれませんが、第二次大戦の戦勝記念として建てられたという巨大建造物たちを、様々なアングルと、動きをともなうカメラで撮っているためか、とても興味深い絵になっています。圧巻ですね。

 これは面白い、と思ったので、スポメニックの写真集を購入してみました。なんと、ガイド本です(!)。Donald Niebyl “Spomenik Monument Database” (Fuel, 2018) というもの。

 邦訳も出ているようなのですが、とりあえずオリジナルのハードカバー版です。表紙のカバーの裏側が概略の地図になっていて、本で取り上げたスポメニックがどのあたりにあるか、イラストで示されています。これは便利。本文中の個々の建造物についてのガイドも悪くありません。建造者(作家)も実に多岐に及んでいることがわかります。

 写真を眺めるだけでも飽きないのですが、でもやはり、ディテールももう少し知りたい気がします。その意味では、上の映画、ディテールをなめ尽くすように撮っていて、とても貴重なものかもしれません。

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