相変わらずの暑さの中、昨日は例年のビウエラ講習会。今回もリュートで参加する。曲はフエンジャーナ(Fuenllana)の「con que la lavare(何で洗えばよいのでしょう)」。これがぱっと見よりも難しく、準備段階から悪戦苦闘する。ま、難曲挑戦シリーズということで勘弁してもらおうかと。懲りずにまた頑張ろう(苦笑)。
このところ、秋に出る予定の語学教材のゲラ読みなどがあって、あまりまとまった時間が取れないのだけれど、とりあえず今道本のニュッサのグレゴリオスのところで出てきた『モーセの生涯』を、希仏対訳本(Grégoire de Nysse, “La Vie de Moïse”, trad. Jean Daniélou, Cerf, 1945-2007)で、気分転換的にちびちびと読み始める。序文と、モーセの生涯をまとめた第一部のまだほんの出だしのところ。グレゴリオスによるコメントの対象となるはずの、モーセのストーリーをひたすら復習している感じだ。で、ちょうど紅海が割れる逸話のあたりまで差し掛かった。モーセの神的体験を一種のモデルとして称揚するといった実に興味深げなコメント(今道本がそのあたりを強調していたっけ)は、このあとの第二部に登場するはず。第二部はまだもうちょっと先で、とりあえずはもうしばらく復習が続く……(苦笑)。
先日、リュートの師匠のところで共同購入の形で取り寄せていただいた、フランス式タブラチュアによるビウエラ曲集『ビウエラのための三つの曲集(“Tres Libros de Musica para Vihuela” ed. Dick Hoban, Lyre Music Publications, 1996)』。これを空き時間にちょこちょこと眺めている(笑)。ビウエラ曲は普通はイタリア式タブラチュア(数字式)だけれど、これはそのフランス式(アルファベット式)でのトランスクリプション版。リュートは一般に、まずはフランス式で習い始め、やがて進んできたらイタリア式も学ぶというのが普通だけれど、人によってはこれが取っつきにくさにもなるのだという。同書はそうしたイタリア式の壁を低減させようという試み。なかなかよく出来ている感じだ。師匠の受け売りだが、ビウエラ曲の普及という意味でもこれは結構有用かもしれないなあ、と。個人的には、ゴンザレスのビウエラ曲集CD-ROMに当たりを付けるための参考資料として使おうと考えている。とりあえずこのフランス式で適当にさくさくと弾いてみて、面白そうならちゃんとしたイタリア式の原典を見てじっくり……みたいな使い方を想定。ま、ルネサンスものについては実はイタリア式タブラチュアのほうが好みだったりするし、逆にフレンチ式で書かれた曲のイタリア式トランスクリプションとかもあってもいいかも、なんてこともちょっと思ったり(それってまったくもって現実的ではないが……苦笑)。