レベティコ

愛すべきやさぐれ者たち


 もはやバンド・デシネというより、まるで映画を観ているかのようです。この叙情性、展開、見せ場の数々……。そのすべてが見事に一本のストーリーを織りなし、やさぐれ歌手たちの寄る辺なさ、それでいて小粋な愛らしさを浮き彫りにしていきます。ダヴィッド・プリュドム『レベティコ——雑草の歌』(原正人訳、サウザンコミックス、2020)。

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バンド・デシネの底力を味わわせてくれます。これは文句なしに傑作ですね。原書は2009年刊。よくぞ見事な翻訳で日本でも世に出てくれました。