連続か断絶か

相変わらず養生中。このところビザンツ関連ものに目を通しているけれど、これまた基本図書と思える一冊を読み始める。井上浩一『ビザンツ 文明の継承と変容』(京都大学学術出版会、2009)。とりあえず第一部まで。ビザンツ世界がギリシア・ローマ文明と連続していたのか断絶していたのかをめぐって、ここでは都市の変貌から探りを入れている。4世紀から7世紀にかけて、ビザンツ世界では「ポリス」に代わって「カストロン」という語彙が都市を指すようになるというが、その内実はどう違っていたのかが取り上げられる。ポイントは二つで、一つは都市の自治の問題。もう一つは「パンとサーカス」と称される、パンの配給と娯楽施設の問題。いずれも都市機能的に大きく様変わりした様子が描かれている。他民族の侵入などはそうした変化のトリガーとして大きなものだったとされている。なるほど、都市の形態的な様変わりは、その都市が置かれた政治状況、文化状況をおのずと物語っているということか。