関西語訳(笑)

なにやらじわじわっと話題が広がっている(?)らしい、『ソクラテスの弁明 – 関西弁訳』(北口裕康訳、PARCO出版)。さっそくゲットしてみた。出だしのところをちょろっと眺めただけだけれど、これはなかなか良いんでないの?とてもこなれた訳になっている。一般向けはこれでまったくオッケーという感じ。そもそも翻訳においては、専門家向けと一般向けとで別々の訳が出るというのはある種の理想型。で、訳者も高名なセンセ(笑)とかだけでなく、誰が参入してもよろしい、みたいなのが理想型(なかなかそうなっていないところが問題なのだが)。その意味で、こうした訳出の試みには大いに賛同したいところ。

……とここまで書いてふと思ったのだけれど、これって関西語に「訳した」といういわばリライトもの?なぜそう思うかというと、原典訳にしては底本が示されておらず、参考文献ばかりずらずら載せてあるので……。うーん、ま、仮にそうだったとしても、そういうのもありかもね、という気もする。いずれにせよ、同書を読んでギリシア語原典に興味を持った人は、「Textkit」(ギリシア語・ラテン語学習支援サイト)を覗いて、ぜひルイス・ダイヤーの原典注釈本(pdf)をダウンロードしよう!(笑)