ギタルラ・エスパニョーラ

ちょっと今更という感じもないでもないが、一応取り上げよう(笑)。このところ改めて聴いているのが、ホセ・ミゲル・モレーノの『ラ・ギターラ・エスパニョーラ – 1536-1836』(Glossa)。とりわけ前半のビウエラ曲(ナルバエス、ミラン、ムダーラ、ロペス)の、大陸的な哀調たっぷりの演奏は素晴らしい。ナルバエスの「皇帝の歌(Cancion del Emperador)などは、やはりこれくらいのスローテンポがベストマッチ。最近の奏者はもっと早く弾くけれど、時になんだかなという感じがしなくもない。やはりこれぞ正統派という感じ(笑)。逆にムダーラの「ファンタシア10」などが疾風のように駆け抜けるのもさすがというか、なんとも見事。もちろん後半のバロックギター(ムルシア、ゲロ、サンス)や古典・ロマンティックギター(ソル)も、実に典雅な響き。CDそのものは2004年に出たものだけれど、国内版が2008年に出ている。でもま、そろそろ入手しづらくなってきているかも(最近、本もCDも購入可能な期間が一段と短くなっている気がする……うーん、いかん傾向だ)。

スペインのギター音楽第1集~1536年-1836年の作品/ホセ・ミゲル・モレーノ

ついでに、第二集としてソルやタレガなどのギター曲集も出ている。
La Guitarra Espanola Vol II (1818-1918) / Moreno